イレウス保存的療法の標準看護計画
#1 疾患に対する不安
患者目標
1、検査処置の必要性、方法が十分理解でき不安なく受けることが出来る。
2、疾患について理解でき、現状を受け入れられる。
O-P)
1. 腹部症状(腹痛、嘔吐、腹部膨満など)による苦痛の程度
腹部X-P、腸管ガス像の有無、排便、排ガスの有無
2. 入院生活への適応状況
3. 疾患、に関する患者の情報量と理解度
4. イレウス管挿入に対する理解度、受け入れ状況
5. 表情、言語、態度の表出状況と不安の程度の関係
6. 睡眠状況
7. サポートシステムの状況
8. 家族からの情報、家族の受け入れ状況
9. 患者の性格、対処行動と対処能力
T-P)
1. 医師の指示により鎮けい剤、蠕動更新剤の投与
2. 腹部症状に対して温罨法や体位の工夫
3. 入院生活上可能な範囲で環境調整する
4. 医師から十分説明が受けられるように配慮する
5. 疾患に対して、患者が必要とする情報を提供する
6. 家族の援助が得られるように必要時参加を求める
7. 患者や家族の訴えを傾聴し、受容的態度で接する
8. 静かに休息の取れる環境を作る
E-P)
1. 医師の説明で理解不足の内容があれば追加説明し、納得を得る
2. 検査、処置の必要性を解りやすく説明し協力を得る
#2 栄養状態や、体液、電解質の変調
患者目標
1、十分な補液が行われ、安定した循環動態が維持できる
2、身体機能の維持に必要な栄養状態を保つことができる
O-P)
1. バイタルサイン(BP低下、頻脈,呼吸促迫)
2. 尿量減少
3. 吐物の量、イレウス管からの排液の量
4. IN,OUTのバランス
5. 低栄養状態のコントロール,貧血脱水状態のコントロール
T-P)
1. 異常時、医師に報告する
2. 高カロリー輸液または、輸液の管理を行う
3. 保温、室温の調整
4. 倦怠感が強い時は、日常生活で危険がない様に、また必要時ADLの介助を行う
5. 緊張や恐怖心を持たせないよう落ち着いた態度で接する
E-P)
1. 輸液の必要性や、施行時の注意事項を説明する
2. 現在の状況を理解できるように説明する
#3 チューブ類の拘束によるストレスや睡眠障害
患者目標
1、夜間安眠が得られ、穏やかに過ごせる
O-P)
1. 不快の程度
2. 睡眠障害の有無
3. 睡眠不足に随伴する症状の有無(頭痛、倦怠感、無気力感、思考力の低下)
T-P)
1. 昼夜逆転しないように日中はできるだけ起こしておく
2. 睡眠がとれるよう環境を整える(室温、照明、騒音)
3. ストレスがある場合はその要因を把握する
4. 安静度の範囲内で日常生活範囲を拡大し、気分転換を図る
5. 体動、離床の際、チューブ類が十分な長さあるか確認する
#4 退院後の日常生活の不安
患者目標
1、身体的、精神的に自立し退院にむけ準備ができる
O-P)
1. 食事摂取内容
2. 食事摂取量と回数
3. 食事摂取の速度
4. 排便状況(下痢、便秘の有無)
5. セルフケアの自立度
6. 言動、表情、行動
7. 睡眠状況
8. 疾患に対する患者の認識
9. 家族の協力体制(キーパーソン)
T-P)
1. 患者が質問したり、気持ちを表出しやすい雰囲気をつくる
2. 家族の協力を依頼する
3. 退院後の日常生活に関して、説明していく
E-P)
1. 栄養のバランスのとれた、消化のよいものを選ぶ
2. 退院後の患者の環境や生活背景を考慮し、食事指導を患者と家族に行う
3. 規則正しい生活を送り、適度な運動をとり入れ十分な睡眠をとるようこころがける
4. 暴飲暴食をさける
5. 排便コントロールを整える
6. 定期検診、服薬指導を行う