すぽんさーどりんく

すぽんさーどりんく

妊娠中毒症患者の標準看護計画

妊娠中毒症患者の標準看護計画


妊娠中毒症とは

 妊娠中に高血圧、蛋白尿、浮腫の1つもしくは2つ以上の症状がみられ、かつこれらの症状が単なる妊娠偶発症でないもので、妊娠20週以降から産褥6週(分娩後42日)以内に発症したものをいう。
 妊娠中毒症とは、上記のように定義され、さらに脳神経症状、痙攣を伴う症候群をいい分娩終了とともに治癒または軽快するが、時にはその中の幾つかの症状が後遺症として残ることがある。原因や本態はなお明らかでないが、母体免疫防御機構の異常から起こる胎盤血流供給不全の結果、多臓器の血管系や血液に異常をきたし、母体高血圧、浮腫を生じると推察されているが、現在では"末梢血管の攣縮による高血圧"が病態論の主流となっている。


分類

妊娠中毒症の病型を純粋型と混合型に大別する。なお、純粋型、混合型にかかわらず痙攣発作を伴うものは子癇とする。

 純粋型妊娠中毒症
妊娠偶発合併症の存在によるとは推定しえず、妊娠20週から産褥期(分娩後42日間)までの期間にのみ高血圧・蛋白尿・浮腫などの症状を呈する場合をいう。

 混合型妊娠中毒症
妊娠前より高血圧・蛋白尿・浮腫などの症状を呈する疾患あるいは状態の存在が推定され、妊娠によって症状の増悪あるいは顕症化をみた場合をいい、純粋型妊娠中毒症に該当しないものすべてをこれに含める。

 子癇
妊娠中毒症によって起こった痙攣発作をいう。てんかん、脳出血、脳腫瘍などのような他疾患による痙攣発作を除外する。痙攣発作の発症時期により、妊娠子癇、分娩子癇、産褥子癇とし、分娩期、産褥期とに痙攣発作がまたがった場合は分娩産褥子癇とする。

 HELLP症候群
溶血(hemolysis)、肝機能障害(elevated liver enzyme)、血小板減少(low platelet)を伴い、重症妊娠中毒症として取り扱う。


アセスメントの視点

 妊娠中毒症は、重症では腎機能障害、肝機能障害、血液凝固異常(慢性DIC状態)、眼症状では網膜剥離、視野狭窄などをきたす場合がある。疾患として、最も顕著なのは血管の拘縮である。肝は腫大し、実質の混濁・脂肪変性などの退行変性と、広汎な出血性および貧血性壊死をみる。腎は糸球体の変化が著明で、毛細管基底膜の浮腫状肥厚と線維素沈着がみられる。脳には浮腫と腫脹、ときには点状溢血がみられる。眼底には血管の変化や出血、浮腫などがみられる。肺にはしばしば水腫と出血がみられる。胎盤には、白色梗塞・血腫・脱落膜出血があり、絨毛の周囲に類線維素沈着がみられる。また、妊娠中毒症の影響を受けて妊娠中毒症肺水腫・常位胎盤早期剥離・中毒症性脳出血などの異常が発生あるいは増悪することがある。治療は対症療法を行なうのみとなるため予防、早期発見が大切である。
 胎児では、胎児胎盤機能不全から子宮内胎児発育不全(IUGR)による未熟児出産、胎児仮死あるいは胎児死亡をみることもある。子癇の場合、胎児の予後は不良で、死亡率は30%といわれている。児が未熟なこと、anoxiaになること、急速遂娩術などのためである。


症状

 ・多くは体重増加に始まり、浮腫・高血圧・蛋白尿がみられる。単独または複数で出現する。
 ・重症では、以下の症状が出現することがある。
尿量減少
脳神経症状(頭痛、めまい、耳鳴、不眠など)
眼症状(眼華閃発、弱視、視野暗黒、網膜剥離、視野狭窄など)
消化器症状(悪心、嘔吐、胃痛など)
 ・子癇は、音、光、疼痛、精神的刺激が発作の誘因となる。突然に強直性、ついで間代性の痙攣発作をきたし、意識消失を伴う。


検査

 ・体重・血圧
 ・尿量・尿比重・尿蛋白定量(エスバッハ)
 ・腎機能検査
 ・肝機能検査
 ・血液凝固系検査
 ・眼底検査
 ・胸部X-P
 ・心エコ-・心電図
 ・頭部CT
 ・超音波断層


胎児管理

 ・胎児発育曲線
 ・胎児心拍モニタリング(NST,CST)
 ・子宮胎盤胎児血流測定
 ・羊水量の測定
 ・胎児血採取
 ・胎児音振動刺激試験
 ・生化学的検査(E3、hPL)


治療

1.安静
2.食事療法
食事療法の基本は、減塩・高蛋白・カロリ-制限である。
3.薬物療法


看護計画

Ⅰ.アセスメントの視点
 妊娠中毒症が重症化すると、子癇、HELLP症候群、妊娠中毒症肺水腫、常位胎盤早期剥離、中毒症性脳出血など、生命の危険につながるので、重症化を防ぐため、安静、食事指導、全身状態の管理などが大切になってくる。また、予防と早期対処が後遺症を残さないためにも大切であり、妊婦健診でのチェック、保健指導が重要である。
 妊娠中毒症の悪化による胎児への影響が大きいため、胎児管理が重要であり、母親の胎児に対する不安も大きいので、精神的サポ-トが必要である。
 分娩までの長期入院となる場合が多いので、生活行動や精神面への影響を把握することが大切である。

Ⅱ.問題リスト
#1.疾患、治療の知識不足に関連した不安
   〔要因〕・疾患そのものへの恐れ
       ・治療そのものへの不安
       ・疾患、検査や治療に対する情報不足
       ・入院という慣れない環境
       ・入院の長期化
       ・家庭での役割欠如
       ・社会的役割が果たせない
       ・未熟児出産への恐れ

#2.疾患、治療による苦痛
   〔要因〕・浮腫-体液の循環不全、体液の貯留
       ・倦怠感、疾患からくる精神的苦痛
       ・睡眠障害
       ・安静、行動制限
       ・食事制限
       ・検査による苦痛

#3.胎児発育遅延の可能性
   〔要因〕・胎盤機能の低下
       ・胎児のガス交換の障害

#4.浮腫
   〔要因〕・正常から逸脱した体重増加
       ・水分、ナトリウムの過剰摂取
       ・体液の循環不全

#5.組織循環の変調
   〔要因〕・腎臓の血液量の減少、水分排泄能の障害
       ・腎臓の血管攣縮による機能的変化
       ・毛細血管および小血管の攣縮
       ・浮腫、高血圧の悪化

#6.合併症の危険性:子癇、HELLP症候群
   〔要因〕・中毒症状の悪化
       ・腎機能障害
       ・肝機能障害

#7.行動制限に関連した心身の苦痛と筋力低下の可能性
   〔要因〕・安静を強いられ、ADLが自分で十分に行なえない
       ・運動量の低下
       ・精神的苦痛
       ・家族とのコミュニケ-ション不足

#8.入院により家庭生活における役割行動が果たせないことに関連した葛藤とスト
   レス
   〔要因〕・入院
       ・家族のサポ-ト状況
       ・家族の現状の受けとめ状況
       ・子供の年齢



Ⅲ.看護目標

1.疾患に対する不安が軽減でき、治療に向けて前向きに考えられる 
2.妊娠中毒症の症状が軽減し、合併症が予防できる 
3.胎児の発育・成長が順調である 
4.治療による心身の苦痛が軽減できる 
5.役割行動の変容が理解でき、家族と共に対処行動がとれる 


Ⅳ.看護問題

#1.疾患、治療に対する不安
   〔要因〕・疾患そのものへの恐れ
       ・治療そのものへの不安
       ・疾患、検査や治療に対する情報不足
       ・入院という慣れない環境
       ・入院の長期化
       ・役割行動が果たせない
       ・未熟児出産への恐れ

  &検査、治療の必要性が理解でき、納得できたことを言葉で表現できる
   検査、治療に積極的に参加できる(安静や食事が守れる)
   患者の思いや不安を言葉で表現できる
  $分娩まで

O-1.入院への適応状況
  2.疾患、検査、治療に関する患者の情報量とその理解度
  3.表情、言語、態度、行動の表出状況と不安の程度の関係
  4.身体症状の有無と程度
  5.食欲、食事摂取状況
  6.睡眠状況
  7.胎児に対するイメ-ジ
  8.未熟児出産に対するイメージ
  9.性格傾向とこれまでに経験した危機的状態での対処方法
  10.役割の欠如(妻、母親としての)に対する受止め方
  11.相談できる人の有無、サポ-トシステムの状況
  12.夫、家族の疾患に対する理解度
  13.夫、家族の患者に対する理解度

T-1.検査結果、治療の効果、妊娠の経過、胎児の状態について医師から十分説明を受けることができるように配慮する
  2.患者が自分自身のことを医療者に語りかけられるような雰囲気をつくる
  3.患者、家族の訴えをよく聴き、自己表出ができるように受容的態度で接する
  4.患者、家族の様々な問いかけに対して丁寧に対応し信頼関係の確立に努める
  5.静かで休息のとれる環境をつくる

E-1.妊娠中毒症についての理解度を確認し、不足があれば補う
  2.胎児の発育、成長の過程を説明し、心理面の支えを十分に行う
  3.胎児の発育、成長の過程を患者、夫、家族が共に喜び合えるような環境づくりをする


#2.疾患、治療による苦痛
   〔要因〕・浮腫-体液の循環不全、体液の貯留
       ・倦怠感、疾患からくる精神的苦痛
       ・睡眠障害
       ・安静、行動制限
       ・食事制限
       ・検査による苦痛

  &身体的、精神的苦痛を最小限にとどめられる
  $退院まで

O-1.同一体位による痛みの部位の有無と程度
  2.浮腫の有無と程度
  3.睡眠障害の有無
  4.安静、行動制限に伴う無気力、思考力の低下、集中力の低下などの症状
  5.ADL、セルフケアの制限の程度

T-1.腹部の緊張を和らげる
  2.安楽な体位を工夫する
  3.苦痛、気持ちが表出できるように働きかける
  4.必要に応じてセルフケア不足を補う
  5.降圧剤、利尿剤、アルブミン製剤の正確な与薬

E-1.入院生活による苦痛が少しでも軽減するように気分転換の方法を指導する


#3.胎児発育遅延の可能性
   〔要因〕・胎盤機能の低下
       ・胎児のガス交換の障害

  &子宮内環境が良好に保たれる
  胎児の発育、成長が順調である
  $分娩まで

O-1.ノンストレステスト(NST)
  2.尿中E3(エストリオール)
  3.超音波による胎児発育状態
  4.胎動の有無と程度、頻度
  5.ドップラ-による胎児心音の状態

T-1.NSTにより胎児の異常の早期発見に努める
  2.安静保持
  3.環境の調整を図る
  4.患者、夫、家族に、現在の状態について説明する。

E-1.医師の説明で理解不足の内容があれば追加説明し、積極的に治療に参加するよう働きかける
  2.胎動の減弱、腹部緊張の増強、性器出血、破水時には、すぐに医療者に伝えるように指導する


#4.浮腫
   〔要因〕・正常から逸脱した体重増加
       ・水分、ナトリウムの過剰摂取
       ・体液の循環不全

  &水分出納のバランスがとれている
   浮腫が消失する
   倦怠感がない
  $退院まで

O-1.体重増加の程度
  2.全身浮腫、局所浮腫の有無と程度
  3.intake,outputのバランス
  4.腹囲の増加の程度
  5.食事摂取状況

T-1.体重測定を毎日実施
  2.24時間蓄尿
  3.減塩、高蛋白、カロリー制限食とし、それ以外は摂取しないよう指導する
  4.安静保持

E-1.治療食の必要性を説明する
  2.安静の必要性を説明する


#5.組織循環の変調
   〔要因〕・腎臓の血液量の減少、水分排泄能の障害
       ・腎臓の血管攣縮による機能的変化
       ・毛細血管および小血管の攣縮
       ・浮腫、高血圧の悪化

  &バイタルサインが正常範囲に保たれる
   血圧がコントロ-ルできる
  $退院まで

O-1.血圧の日内変動の有無と程度
  2.血圧上昇時の随伴症状(頭痛、頭重感、肩こり、眼華閃発など)の有無と程度
  3.intake,outputのバランス
  4.排尿状態
  5.尿比重、尿蛋白定量、尿中クレアチニン値の程度
  6.不安、不穏状態の有無、程度

T-1.安静保持
  2.清潔保持(陰部洗浄を含む)
  3.気分転換を図る
  4.夫、家族、友人のサポ-トシステムを調整し、患者が安心して入院生活が過ごせるよう協力する
  5.必要時、面会を制限する

E-1.安静の保持、食事療法が胎児の成長、発育に対して重要であることについて説明する


#6.合併症の危険性:子癇、HELLP症候群
   〔要因〕・妊娠中毒症の症状悪化
       ・腎機能障害
       ・肝機能障害

  &血圧が正常範囲となる
  子癇を起こさない
   意識レベルが正常である
  $症状が軽症になるまで

O-1.子癇の要因となる高血圧、蛋白尿、浮腫の有無と程度
  2.痙攣発作の有無、程度、種類と意識レベルの程度
  3.血液データーの把握

T-1.採光、騒音に注意し、環境を整える(暗幕の設置)
  2.面会者を制限する
  3.重要他者への協力を依頼する
  4.ベット柵をつける
  5.安楽な体位を工夫する
  6.患者の周囲にある危険物を取り除く
  7.緊急時の準備

E-1.安静が保持できるように指導する
  2.胎動、腹部緊張、腹痛などの異常を感じたらすぐに医療者に伝えるよう指導する


#7.行動制限に関連した心身の苦痛と筋力低下の可能性
   〔要因〕・安静を強いられ、ADLが自分で十分に行なえない
       ・運動量の低下
       ・精神的苦痛
       ・家族とのコミュニケ-ション不足
  &ストレスの表出ができ、苦痛を最小限にする
   筋力の低下を最小限にし、分娩・産褥のトラブルを予防する
  $安静解除となるまで

O-1.言動、表情
  2.睡眠状態
  3.食欲の有無、食事摂取量
  4.排泄状態
  5.安静が守られているか
  6.四肢の筋力低下の有無
  7.分娩への意欲の有無
  8.同室者とのコミュニケ-ション状態
  9.全身の清潔状態
  10.帯下、出血による外陰部の汚染状態
  11.便秘の有無
  12.その他苦痛の訴え

T-1.安楽な体位の工夫(ギャッジアップ、安楽枕、電動ベットの使用等)
  2.環境の整備(休息がとれるような環境をつくる)
     絶対安静の場合、手の届く位置へ必要なものを配置する
     排泄物はすぐ片付けるよう心掛ける
     できるだけ窓際のベットにする
  3.筋力低下の予防のトレ-ニング実施
  4.便通のコントロ-ル
  5.全身の清潔保持(特に外陰部)
  6.食事の工夫(おにぎり食等)
  7.コミュニケ-ションの充実
  8.身体的な苦痛を聞き、対応する
  9.個別の日常生活の把握
  10.個別的なストレス因子について把握する
  11.キ-パ-ソンの把握

E-1.安静の必要性を認識させる
  2.ベットサイドでの筋力低下予防運動の必要性を説明し指導する
     異常時は中止するよう説明する
  3.分娩時の体力の消耗を最小限にするために特にリラックス法、呼吸法の練習が必要なことを説明し、指導する


#8.入院により家庭生活における役割行動が果たせないことに関連した葛藤とストレス
   〔要因〕・入院
       ・家族のサポ-ト状況
       ・家族の現状の受けとめ状況
       ・子供の年齢

  &役割行動の変容を理解でき、対処行動がとれる
  $入院中

O-1.言動、表情、精神状態
  2.不安の訴え
  3.家族の面会状況

T-1.面会時間の配慮 
  2.不安を傾聴受容し、一貫した態度で接する 
     訴えをよく聞き対応する 
     心の支えとなる家族の協力を求める(コミュニケ-ションの充実)

E-1.現状について十分に説明する
  2.家族を含めて役割機能が果たせるように話しあう

膀胱腫瘍患者の看護計画




 尿路腫瘍のなかでは、もっとも発生頻度が高く、男性には女性の3倍発生するといわれる。ほとんどは移行上皮または扁平上皮癌で、良性のものは少ない。膀胱底部に好発し乳頭状に発育するものが多く、多発の傾向があり再発しやすい癌である。表在性膀胱癌の予後は良好であるが、悪性度と浸潤度が高度になると予後は不良である。転移は比較的遅いが、肝臓、肺、骨に生じやすい。



 膀胱癌は組織、悪性度、浸潤度によって分類し、それにしたがって治療の仕方もかわってくる。一般に用いられるのはジューエット・マーシャルの浸潤度の分類とブローダースの悪性度の分類である。診断は、なによりも膀胱鏡が有用である。



 血尿が主訴のことが多いが、顕微鏡的な血尿のこともあり、必ずしも肉眼的なものではい。腫瘍が大きくなってくると、頻尿、排尿痛、尿線の中絶、残尿感、腫瘍組織片の尿中排出などがみられ、膀胱の自発痛の生じることもある。尿路感染、尿管口の閉塞による腎機能の不全などもおこってくる。


  • 尿検査:RBC()、尿細胞診が有用
  • 膀胱鏡:膀胱粘膜の異常
  • 生検:組織型の区別
  • その他:KUB、CT、超音波、膀胱造影、血管造影、IVPなどによる進展度、転移の有無


 1.外科的治療
1)膀胱全摘術(尿路変更術)回腸導管・尿管皮膚瘻
2)経尿道的膀胱腫瘍切除術・電気凝固術

 2.薬物治療
1)抗癌剤の点滴治療看護は「化学療法を受ける患者の看護」を参照
2)膀胱注入抗癌剤・BCG

 3.放射線治療「放射線療法を受けている患者の看護」を参照




.アセスメントの視点(術前)

 全身麻酔で手術が行われるため、全身の評価が必要である。高齢者も多いので、既往や機能の低下には十分注意する。
 尿路変更というボディイメージの変化、性機能障害に伴う患者、家族の戸惑いは大きい。術前に患者、家族に十分な説明を行う。

.問題リスト(術前)

   [要因]・慣れない環境
       ・情報不足(検査、治療方法、手術後のイメージ、手術後のボディイメージや身体機能の変化)
       ・未体験である手術との遭遇
       ・死への恐怖
       ・社会的役割の変化
       ・予測される術後の疼痛
       ・入院によっておこる経済的問題

#2.予期的悲嘆
   [要因]・ストーマ造設に伴うボディイメージの変化
       ・通常の排泄機能の喪失
       ・性機能障害

#3.家族の不安
   [要因]・患者の病状、術後経過や予後
       ・告知の是非
       ・予後について
       ・仕事
       ・経済状態
       ・患者のボディイメージの変化(通常の排泄機能の喪失や性機能障害)

   [要因]・膀胱腫瘍の壁内浸潤や膀胱三角部への浸潤
       ・膀胱炎を合併した場合の膀胱刺激症状

   [要因]・凝血片や強い血尿時の尿道閉塞や膀胱タンポナーデ

.看護目標(術前)
  1. 疾患、手術および術後のボディイメージや身体機能の変化に対する不安が軽減され、手術の必要性が受容できる。
  2. 疾患による疼痛の軽減を図り、栄養状態が改善され、体力の消耗が最小限になる。
  3. 全身状態の評価により術後合併症を予測し、手術に対する身体的準備ができる。
  4. 家族の精神的慰安に努める。
.看護問題(術前)

   [要因]・慣れない環境
       ・情報不足(検査、治療方法、手術後のイメージ、手術後のボディイメージや身体機能の変化)
       ・未体験である手術との遭遇
       ・死への恐怖
       ・社会的役割の変化
       ・予測される術後の疼痛
       ・入院によっておこる経済的問題

  &検査や手術の必要性、術前処置や方法を理解し、納得することができる
   術前、術後の状態がイメージでき、不安が減少したことを表現できる
  $手術前日

-1.疾病、術前検査、手術に関する患者の情報量とその理解度
  2.表情、言葉、態度の表出状況と不安の程度との関係
  3.食欲、食事状況、睡眠状況
  4.性格傾向
  5.コーピング
  6.サポートシステム
  7.社会的役割
  8.経済的問題

-1.術前検査の説明や手術オリエンテーションを確実に施行する
  2.患者が思いを表出できるよう、プライバシーの保護を考えた場所の確保を行い、余裕をもった時間を確保する
  3.不安を訴えやすいよう受容的態度で接する
  4.説明者は言葉や態度に配慮する
  5.表出された不安や心配事に対しては誠意をもって対応する。内容によって医師の参加を求める
  6.患者が保護されているあるいは、自己の存在感が感じられるような対応をする
  7.食事摂取や排泄、睡眠状況が障害されている場合はその解決をはかる
  8.キーパーソンから情報を収集しアセスメントする

-1.術前検査や術前・術後のオリエンテーションをわかりやすく説明する
  2.質問を促し、理解度を確認する。また、訴えてよいこと、それらを受けとめる用意があることを伝える
  3.必要時睡眠剤が使用できることを伝える

   [要因]・ストーマ造設に伴うボディイメージの変化
       ・通常の排泄機能の喪失
       ・性機能障害

  &検査や手術準備、ケアに参加し、徐々に術後のボディイメージを受けとめることができる
   手術に向けての準備を家族とともに行える
  $手術前日

-1.ボディイメージの変化、通常の排泄機能の喪失、性機能障害に対する反応(表情、態度、言動)と理解度
  2.術前のケアへの参加状況、姿勢、態度、反応
  3.サポートする人のストーマ造設に対する理解の程度と患者に関する情報
  4.サポートの質と量

-1.ストーマ造設に伴う怒り、悲しみ、不安、悩みを表出できるような時間的、環境的な配慮を行い、患者の気持ちをよく聞く
  2.患者や家族のもつ不安、悩み、疑問に対して情報やケアを提供する
  3.術前から社会復帰までの回復経過とセルフケア計画を表示し、説明する
  4.ストーマに関する知識やストーマ造設後の日常生活に関する知識をVTRや実物、パンフレットを使用し理解しやすいよう提示する
  5.マーキング、パッチテストを行いストーマケア時の障害の予防をはかる
  6.患者が希望すれば自立して生活しているオストメイトとの面談を企画する

-1.ストーマ造設に対する怒りや悲しみを表現することにより、気持ちの整理がつくこともあることを説明する
  2.術前から社会復帰までの回復経過とセルフケア計画をわかりやすく説明する
  3.ストーマに関する知識、ストーマ造設後の日常生活に関する知識(ストーマとは何か、ストーマの役割、特徴、装具の役割、スキンケア、装具の選択と種類、食事、入浴、運動、性生活等の日常生活について)を患者にとって理解しやすいよう工夫して指導する
  4.質問を促し、理解度を確認する。また、訴えてよいこと、それらを受けとめる用意があることを伝える
  5.ストーマがあっても、適切なケアと工夫で日常生活が支障なく送ることができることを説明する
  6.患者にキーパーソンとストーマ造設について話し合い、サポートしてもらうよう説明する

   [要因]・患者の病状、術後経過や予後
       ・告知の是非
       ・予後について
       ・仕事
       ・経済状態
       ・患者のボディイメージの変化・通常の排泄機能の喪失や、性機能障害

  &家族が術後の患者の状態、生活がイメージでき、不安が減少した状況がみられる
   手術に向けての準備を患者とともに行える
  $退院前日

-1.表情、言葉による表現、態度
  2.患者と家族との人間関係
  3.患者と家族間の疾病に対する理解、認識度の差
  4.家族間のサポートシステムや状況判断能力
  5.家族がとらえている患者の性格傾向やコーピング
  6.経済的問題の存在

-1.家族とコミュニケーションをとり不安や心配事を表出しやすいような受容的態度でかかわる
  2.家族と医療者との考えの間に違いがないか、また患者の考え方を尊重して関わる方法について相談、検討する
  3.患者への説明の方法を決定する

-1.家族が患者の今後についてイメージできるように、術後の状況、入院期間、社会復帰の時期等について説明する
  2.家族に患者のサポートの必要を説明する

   [要因]・膀胱腫瘍の壁内浸潤や膀胱三角部への浸潤
       ・膀胱炎を合併した場合の膀胱刺激症状

  &排尿回数が特に夜間に増加しない
  $手術前日

-1.バイタルサイン
  2.排尿状況(一回尿量、尿回数、排尿時間)
  3.夜間排尿の回数
  4.尿の性状、とくに血尿の程度
  5.水分出納
  6.データ(血液、電解質など)
  7.随伴する症状の有無と程度(排尿時痛、残尿感、不快感など)

-1.局所・全身の保温を行う
  2.排尿に伴う苦痛(ベッド昇降やトイレへの往復、不眠など)が軽減できるように環境を調整(尿器やポータブルトイレの設置)する
  3.陰部の清潔を保ち、乾燥を心がける
  4.自覚症状の訴えやすい環境作りに配慮し、雰囲気作りを行う
  5.水分の摂取計画
  6.不眠時は医師に相談し睡眠薬を服用する
  7.意識が排尿に集中しないような工夫をする

-1.排尿を我慢しないよう、また保温の必要性と方法を指導する
  2.膀胱タンポナーデ出現時は、医師指示にて膀胱洗浄を行い尿道留置バルンカテーテルの管理を行う
  3.排尿状況の変化(排尿時痛がある、血尿が濃くなった、凝血片がみられたとき)があれば報告するよう指導する
  4.水分摂取必要とその方法を指導する
  5.膀胱刺激症状出現時は二次的出血予防のため、力まないよう指導する
  6.不眠や不安、疲労を避ける必要性を説明する
  7.気持ちが排尿に集中しないように、気分転換を試みるように指導する

   [要因]・凝血片や強い血尿時の尿道閉塞や膀胱タンポナーデ

  &尿流出が保たれ、血尿がある場合は軽減する
  $手術前日

-1.バイタルサイン
  2.排尿状況(一回尿量、尿回数、排尿時間)
  3.血尿や凝血の有無と程度
  4.尿の性状、とくに血尿の程度
  4.水分出納
  5.データ(血液など)
  6.随伴する症状の有無と程度(排尿時痛、残尿感、腹部膨満感、不快感など)
  7.患者の表情、顔色や貧血症状の有無

-1.水分摂取と尿量の管理を行う
  2.医師の指示により、間歇的導尿や尿道留置バルンカテーテルによる排尿を行う
  3.血尿の程度に応じ、安静を図る
  4.膀胱タンポナーデ出現時は、医師指示にて膀胱洗浄を行い尿道留置バルンカテーテルの管理を行う
  5.自覚症状の訴えやすい環境作りに配慮し、雰囲気作りを行う
  6.苦痛の強いときや処置時は安楽な姿勢、体位を工夫し羞恥心に配慮する

-1.排尿状況の変化(尿が出ない、排尿時痛がある、血尿が濃くなった、凝血片がみられたとき)があれば報告するよう指導する
  2.蓄尿の必要性を指導する
  3.血尿時は尿量確保のため水分摂取必要とその方法を指導する
  4.膀胱刺激症状出現時は二次的出血予防のため、力まないよう指導する
  5.不眠や不安、疲労を避ける必要性を説明する





.アセスメントの視点(術後)

 回腸導管造設術後の合併症としては、腎盂腎炎、腹膜炎、イレウス、吻合部狭窄、血栓による循環障害や肺塞栓がある。尿管皮膚瘻術後の合併症としては、尿管狭窄、腎結石、吻合部周囲炎、血栓による循環障害や肺塞栓がある。また、後出血や尿路感染症、痛みによる苦痛、睡眠障害等も両者に共通であげられる。精神面としては、外観の変化に対する悔しさや劣等感に悩まされる。退院後の日常生活への自信の喪失もみられ、対象の個別性に応じた自己管理の方法が必要となる。


.問題リスト(術後)

   [要因]・体液の過剰喪失
       ・出血

   [要因]・創痛による去痰困難
       ・創痛やドレーン挿入による刺激や異和感

   [要因]・低アルブミン
       ・創部が腹部にあるための去痰時の疼痛
       ・創痛やドレーン挿入による体動の減少
       ・脱水

   [要因]・創感染
       ・術後の吻合不全
       ・膿瘍形成
       ・術中・術後の腹膜への腸内容のもれ

   [要因]・ドレーンからの排液によるガーゼの汚染
       ・創部とストーマの位置が隣接することによるストーマからの尿漏れによる創汚染
       ・膀胱全摘後の死腔の感染

   [要因]・開腹術による腸管操作
       ・腸管内でのガス発生
       ・麻酔薬、鎮痛薬の影響
       ・創痛やドレーン挿入による体動の減少

   [要因]・粘膜皮膚縫合部の離開
       ・ストーマ周辺皮膚の蜂窩織炎
       ・ストーマの血行障害や開口部の狭窄・装具による圧迫

   [要因]・手術による組織の損傷
       ・術中の同一体位からくる疼痛
       ・術後の体動制限からくる疼痛
       ・治療計画や処置、機械の装着による行動の制限
       ・術後の体力低下や不安、緊張からくる精神的動揺

   [要因]・経鼻胃管、嘔吐による排液
       ・大量の創浸出
       ・術後のイレウス
       ・肺合併症
       ・術中、術直後の輸液療法

   [要因]・治療計画や処置、機械の装着による行動の制限
       ・術後の体力低下や不安、緊張からくる精神的動揺
       ・創痛やドレーン挿入による不快感
       ・消極的姿勢

   [要因]・尿や浸出液の付着による刺激
       ・装具、テープ、装具交換による皮膚への刺激
       ・発汗による刺激

   [要因]・ストーマ造設によるボディイメージの変化
       ・排泄路の変更によるライフスタイルの変化

   [要因]・器質的(前立腺、精巣、尿道の切除、骨盤内リンパ節郭清に伴う性機能神経の喪失)なものによる障害
       ・ストーマ造設によるボディイメージの障害

   [要因]・ストーマ造設によるライフスタイルの変化
       ・ストーマケアに関する知識不足
       ・社会的役割の変化

   [要因]・再発の恐れ
       ・告知していないことに対する精神的動揺
       ・排泄路変更に伴う日常生活への影響や社会生活への適応困難


.看護目標(術後)
  1. 術後合併症の発症がなく、腎機能が正常に保たれる。
  2. 手術による身体的苦痛の緩和を図り、精神的に安定して過ごせる。
  3. 治療による状態の変化が理解でき、退院後の生活上の留意点について述べることができる。
  4. 継続自己管理、再発予防、ストーマセルフケアの必要性が理解でき、必要時に医療者と相談することができる。

.看護問題(術後)

   [要因]・体液の過剰喪失
       ・出血

  &バイタルサインが安定し、出血を早期発見することができショック状態を防ぐ対応
   ができる
  $術後3日

-1.バイタルサイン
  2.血液データ
  3.水分出納
  4.出血部位と出血量、性状

-1.確実なバイタルサインのチェック
  2.指示(薬液注入・輸液・輸血・酸素吸入・吸入)の正確・確実な施行とその効果の観察
  3.水分出納の把握と安全で確実なライン管理

  <出血時の援助>

-1.ドレーン・創からの排液、浸出液が血性に変化した場合は、要因・循環動態への影響をアセスメントして医師に報告する
  2.血圧、脈拍、呼吸、出血量、意識状態を観察する
  3.ドレーンからの出血が50ml/時以上、血圧90Hg以下(急激に下降した場合)はショック体位を保持し輸液速度を調節する
  4.指示による補液、輸血、酸素投与を行なう
  5.与薬(昇圧剤など)開始時はその効果と副作用を観察する
  6.体位変換や移動時は、ゆっくりと行なう

-1.患者、家族の不安を増強しないように現状と今後の予定を説明する
  2.患者の状態が安定したら、医師より説明が受けられるよう配慮する

   [要因]・創痛による去痰困難
       ・創痛やドレーン挿入による刺激や異和感

  &去痰時の苦痛が緩和され、効果的な喀痰排出を行なうことができる
  $術後5日

-1.呼吸状態(音、リズム、数、深さ等)の観察
  2.痰の性状と喀出状況
  3.疼痛の程度と鎮痛の状態
  4.水分出納
  5.X-P所見

-1.咳嗽や超音波ネプライザーで、口腔や気道の湿潤や加湿を促す
  2.深呼吸を実施し、咳嗽時に創部の圧迫保護を行って努責しやすいよう介助する
  3.自力去痰が困難なときは一時的吸引を行う
  4.胃チューブの刺激を軽減(固定方法の工夫、挿入されている長さの確認など)する
  5.体液バランス不均衡の場合は、指示による補正輸液を行う

-1.去痰の必要性を説明する
  2.去痰の効果的な方法(腹式呼吸、深呼吸、ハッフィングなど)を具体的に説明する

   [要因]・低アルブミン
       ・創部が腹部にあるための去痰時の疼痛
       ・創痛やドレーン挿入による体動の減少
       ・脱水

  &肺合併症がおこらない
  $術後5日

-1.バイタルサイン
  2.呼吸状態と呼吸音
  3.痰の貯留状態とX-P所見
  4.動脈血液ガス分析結果
  5.痰の性状
  6.呼吸に関連した自覚症状の有無
  7.水分出納

-1.喀痰の貯留部位の確認と去痰を促すために、腹式呼吸、深呼吸、ハッフィングなどを促す
  2.制限内での体位変換を行う

-1.去痰の効果的な方法(腹式呼吸、深呼吸、ハッフィングなど)を具体的に説明し、協力を得る

   [要因]・創感染
       ・術後の吻合不全
       ・膿瘍形成
       ・術中・術後の腹膜への腸内容のもれ

  &腹痛や腹満感、創感染がなく、バイタルサインが安定する
  $術後7日

-1.腹痛の有無、程度、部位
  2.圧痛の有無と程度
  3.バイタルサイン
  4.血液検査結果(WBC,CRP)
  5.創浸出液の性状
  6.尿流出状態と周囲への漏れの有無と程度

-1.ドレーンの管理を正しく行う
  2.ドレーンが体動により不必要なつっぱりがかからないようねじれないよう配慮する
  3.ガーゼ交換時は清潔操作に留意し、特に尿管ステント挿入時は抜去しないよう注意する
  4.創汚染の予防に努める
  5.腹膜炎の徴候や症状がみられた場合、絶飲絶食とし、医師指示により抗生物質を投与する場合は、効果とその副作用の観察を行う
  6.手術の適応の場合は、その準備を行う

-1.患者にライン類の挿入の必要性を説明し、治療や処置への協力を得る
  2.浸出液の自覚時は、伝えるよう指導する
  3.ガーゼ交換の必要性を説明する
  4.家族へは、患者の必要時にサポートできるよう協力を得る

   [要因]・ドレーンからの排液によるガーゼの汚染
       ・創部とストーマの位置が隣接することによるストーマからの尿漏れによる創汚染
       ・膀胱全摘後の死腔の感染

  &ドレナージが効果的に行われ、正中創とドレーン挿入部の炎症症状がない
  $術後10日

-1.創部、ドレーン挿入部の炎症症状の有無
  2.創部、ドレーンからの排液の量と性状
  3.バイタルサイン
  4.血液検査結果(WBC,CRP)
  5.抗生物質使用時はその効果

-1.ドレーンからの排液量を観察し、定期的にガーゼ交換をする
  2.ストーマからの尿漏れによる創周囲の汚染を防ぐための工夫と装具の管理を行う
  3.抗生物質の効果が最大になるよう輸液の管理を行う
  4.ドレーンが体動により不必要なつっぱりがかからないよう、ねじれたり、また屈曲しないよう配慮する
  5.ガーゼ交換時は清潔操作を徹底する
  6.排液が逆流しないよう誘導したり、必要時はミルキングを行う

-1.創部および全身の清潔の必要性を説明する
  2.創部の汚染時は早めにガーゼ交換をする必要性を説明する

   [要因]・開腹術による腸管操作
       ・腸管内でのガス発生
       ・麻酔薬、鎮痛薬の影響
       ・創痛やドレーン挿入による体動の減少

  &正常な腸蠕動があり排ガスがみられる
  $第一段階-術後3日
   第二段階-術後10日

-1.腹部膨満感の有無と程度
  2.排ガス、腸雑音の有無
  3.悪心、腹痛の有無
  4.活動の制限と状況
  5.鎮痛剤を使用している時はその効果と影響
  6.腸蠕動促進剤を使用している時はその効果

-1.胃チューブが挿入されている場合は、定期的に吸引し、確実に吸引できているか観察する
  2.腹部温罨法を行う
  3.安静制限がない限り、術後2日目から離床を計画する
  4.早期の四肢運動により全身の循環改善を図る
  5.指示に基づき腸蠕動促進剤を使用する
  6.指示に基づき肛門ブジーを施行する

-1.排ガスを我慢しないように説明する
  2.離床の説明と方法を説明する
  3.術後食の必要性とその進み方を説明する

   [要因]・粘膜皮膚縫合部の離開
       ・ストーマ周辺皮膚の蜂窩織炎
       ・ストーマの血行障害や開口部の狭窄・装具による圧迫

  &ストーマの形状が正常であり、尿流出が良好である
   ストーマからの出血や浮腫の増強がなく、色調が良好である
  $術後7日

-1.ストーマの浮腫の有無
  2.ストーマの色調
  3.ストーマからの出血の有無
  4.ストーマの陥没の有無
  5.ストーマ周辺の皮膚の状態
  6.粘膜皮膚縫合部の状態
  7.ストーマからの浮遊物
  8.ストーマからの尿流出状態

-1.ストーマへの圧迫予防のために腹部を強く圧迫しない
  2.ストーマを強くこすらない
  3.尿貯留による尿漏れ予防のためカテーテル内の尿を速やかに誘導する

-1.異常徴候を説明し、その徴候がみられる場合は報告するよう指導する

8.安楽の変調:疼痛
   [要因]・手術による組織の損傷
       ・術中の同一体位からくる疼痛
       ・術後の体動制限からくる疼痛
       ・治療計画や処置、機械の装着による行動の制限
       ・術後の体力低下や不安、緊張からくる精神的動揺

  &バイタルサインが安定し、穏やかな表情を示し睡眠が確保できる
   深呼吸と痰の喀出ができ、意欲をもって活動範囲が拡大する
   疼痛が緩和したことを表現できる、または疼痛の訴えがない
  $術後4後

-1.創痛、腰部痛、筋肉痛に対する表現
  2.バイタルサイン
  3.表情、行動、体位
  4.深呼吸、痰の喀出状況
  5.可動状況
  6.痛みの誘因
  7.睡眠状況
  8.今までのコーピング状況
  9.鎮痛剤を使用している時はその効果

-1.腹筋の緊張をおこしたりドレーン挿入部を圧迫しない安楽な体位の工夫
  2.ドレーンやチューブの固定方法の工夫と配慮
  3.深呼吸や咳嗽時には創部の圧迫保護を行って努責しやすいよう介助する
  4.腰部痛、筋肉痛に対してマッサージや罨法を行う
  5.深呼吸、筋肉弛緩などによるリラクゼーションを促す
  6.家族へは、患者の必要時にサポートできるよう協力を得る
  7.頻回に訪室し患者の訴えをよく聞き、不安の軽減を図る

-1.安楽な体位や、体位交換の方法を指導する
  2.疼痛を不必要に我慢しないこと、また疼痛の原因とその軽減期の目安、鎮痛剤の薬効時間を伝える
  3.不安や疑問はいつでも表現するよう説明する
  4.可動範囲を説明