悪性腫瘍の骨転移の治療の主目的は疼痛の緩和、病的骨折・麻痺の予防、日常生活[ADL]の維持であり治療法は対症療法として放射線治療、整形外科治療、化学療法、内分泌療法が種々の組み合わせで行われる。
転移性骨腫瘍の放射線感受性はその腫瘍の母組織により異なる。骨原発の骨腫瘍は放射線感受性が低いが骨リンパ腫や骨髄腫などの骨髄細胞原性の骨腫瘍放射線感受性が高い。疼痛の緩和には有効である。
骨転位が限局性でも、侵された骨全体を局所照射するのが一般的である。各部位別における放射治療法の方法は、脊椎転移の場合、疼痛の強い椎体と上下各椎体を照射野に含む。頸椎は左右向2門、胸椎は後方1門照射、腰椎では前後対向2門照射が一般的である。長管骨の場合、照射野は侵された骨をできるだけ長く含むようにする。治療後のリンパ浮腫を予防するため、軟部組織の一部を照射野外にする。骨盤の場合、全骨盤の照射は時に必要となるが、消化管への副作用を考慮して照射範囲を設定する。特に化学療法が併用されている症例では注意が必要で、適宜消化管の遮蔽を行う。仙腸関節の転移では両側治療が必要なことも多い。肺の照射容量の減少のため可能なら接線照射を行う。肋骨転移では、侵された部分に限局して照射する。肺の照射容量の減少のため可能なら接線照射を行う。肋骨起始では一般的に椎体とともに照射することが必要である。頭蓋骨の場合、弓隆部の頭蓋骨転移では放射線治療が必要となることは多くない。頭蓋底、トルコ鞍あるいは蝶形洞の骨転移は放射線治療が奏効する。この場合、全頭蓋か少なくとも頭蓋底全体を照射野に含む必要がある。
一般に骨転移のような対症療法的治療では、できるだけはやく治療効果を得るために1回線量を3~5Gyとした短期間照射が行われる。肺癌や食道癌からの転移では、症状寛軽を目的として30Gy/10回/2週または20Gy/5回/1週位での照射適応となる。
全身的に照射野が広範囲の場合特に全身倦怠感、食欲不振、悪心などの放射線宿酔症状が現れやすい。放射線宿酔の発生機序は、放射線による化学反応の過程で、過酸化物質が多量に発生し、肝臓で処理される。肝臓自体が疲弊に伴い、宿酔症状を呈する。さらに血液中に存在する炎症細胞(白血球)よりヒスタミン系物質の遊離によりアレルギー性症状を呈する。
宿酔症状には、過酸化物質の蓄積とヒスタミン系物質の両者が関与すると言われている。放射線に対する不安が強い人も起こりやすい。放射性皮膚炎を起こしやすい部位としては、鼠径部、会陰部、腹部である。頭蓋底の場合、脱毛もおこる。
骨転移の放射線治療の副作用に特別のものはないが、主に骨髄抑制と消化器症状である。骨髄抑制の程度は照射範囲内の赤色髄の全赤色髄に対する割合に依存する。一般に放射線治療独自で看護ケアを必要とする骨髄抑制は少ないが、化学療法併用時強く現れる。頸椎や胸椎に照射を受ける患者は、唾液腺の障害(口内炎、唾液分泌の低下)や上部消化器症状(食道炎、胃炎)を起こしやすい。骨盤や腹部の場合は、照射期間中に胃腸の急性障害に伴う吐き気、下痢、腹痛、腹部膨満感などの消化器症状を起こしやすい。照射野に膀胱が含まれている場合、放射線による膀胱の基底細胞への障害により、膀胱炎、尿道狭窄なども起こりやすい。骨の晩期障害として、骨折、骨壊死などがある。口腔内の晩期障害は、唾液腺の萎縮が起こる。唾液腺の障害(分泌の低下)はほとんど回復は難しい。消化管の晩期障害は比較的まれであるが、血管障害に起因する二次的変化であり比較的急速な血管閉塞によって潰瘍が生ずるか、または徐々に進行する微小循環障害により消化管の線維性狭窄が生じ保存的治療で改善しない場合は外科的処置が必要になる。
宿酔症状には、過酸化物質の蓄積とヒスタミン系物質の両者が関与すると言われている。放射線に対する不安が強い人も起こりやすい。放射性皮膚炎を起こしやすい部位としては、鼠径部、会陰部、腹部である。頭蓋底の場合、脱毛もおこる。
骨転移の放射線治療の副作用に特別のものはないが、主に骨髄抑制と消化器症状である。骨髄抑制の程度は照射範囲内の赤色髄の全赤色髄に対する割合に依存する。一般に放射線治療独自で看護ケアを必要とする骨髄抑制は少ないが、化学療法併用時強く現れる。頸椎や胸椎に照射を受ける患者は、唾液腺の障害(口内炎、唾液分泌の低下)や上部消化器症状(食道炎、胃炎)を起こしやすい。骨盤や腹部の場合は、照射期間中に胃腸の急性障害に伴う吐き気、下痢、腹痛、腹部膨満感などの消化器症状を起こしやすい。照射野に膀胱が含まれている場合、放射線による膀胱の基底細胞への障害により、膀胱炎、尿道狭窄なども起こりやすい。骨の晩期障害として、骨折、骨壊死などがある。口腔内の晩期障害は、唾液腺の萎縮が起こる。唾液腺の障害(分泌の低下)はほとんど回復は難しい。消化管の晩期障害は比較的まれであるが、血管障害に起因する二次的変化であり比較的急速な血管閉塞によって潰瘍が生ずるか、または徐々に進行する微小循環障害により消化管の線維性狭窄が生じ保存的治療で改善しない場合は外科的処置が必要になる。
Ⅰ.アセスメントの視点
照射野に含まれる臓器にも影響が出ることを知り、早期より対処していくことが大切である。照射する場合、照射野の皮膚障害を起こすこと可能性が高いので、常に念頭においておくことが大切である。頭蓋底では脱毛と皮膚炎を、頸椎から骨盤では皮膚炎を、また骨盤では特に陰部の粘膜も障害を受けるので早期から観察を行う。
頸椎から胸椎の場合、上部消化管に障害が起こることがある。このことにより、食摂取量の低下に伴い、低栄養状態、脱水、電解質異常を起こしやすい。また骨盤の照射でも下部消化管が障害され、下痢や膀胱炎などから低栄養状態を起こしやすい。このことに留意し、上部・下部消化器症状、食摂取量、下痢などの自覚症状を把握する。客観的指標として、体重の変化や血液データにも注意する。上記以外にも、頸椎の場合は、唾液腺も障害を受け、唾液分泌が抑制され、口腔内の自浄作用の低下が起こる。口腔内の症状の観察や、感染症状を観察する。胸椎・骨盤の場合は造血機能が盛んな胸椎や腸骨が障害されるため骨髄抑制が起こる。これにより患者は易感染状態に陥りるため、感染症状とバイタルサイン、血液データに注意する。また、骨盤の場合は、膀胱に影響をうけ膀胱炎をおこす。特に女性の場合は解剖学的理由からも膀胱炎を起こしやすいので、症状や、バイタルサインを治療の早期より注意していく。
骨に病変があることより、病的骨折をおこしやすいため生活行動や環境に注意する。骨転移による痛みも伴うこともあるため、痛みのアセスメントを行い、適切なペインコントロールを行う必要となってくる。脊椎の転移では、病状が進むと腫瘍が脊髄を圧迫して横断麻痺が起こることがある。特に頸椎の高いレベルでは、呼吸が止まるなど生命の危険にも関与するため、神経症状の出現にも着目する。また、骨病変は、他臓器からの転移ということが多いため、広がる病変に悲観的になっていたり、中には度重なる転移に対しての放射線治療となることもある。患者の不安やそれに起因する身体症状を早期に把握することが大切である。放射線治療が2回目以上の場合は、前回の照射の経過のイメージが悪いと今回の治療の受け入れが悪くなったりする。また、前回の照射の副作用の有無を知ることで今回の副作用も予測しやすいので、前回の情報も入手しておく。さらに、照射が終了しても再発に対しての不安を患者、家族とももっていることが多い。これに対する不安の把握も大切である。
頸椎から胸椎の場合、上部消化管に障害が起こることがある。このことにより、食摂取量の低下に伴い、低栄養状態、脱水、電解質異常を起こしやすい。また骨盤の照射でも下部消化管が障害され、下痢や膀胱炎などから低栄養状態を起こしやすい。このことに留意し、上部・下部消化器症状、食摂取量、下痢などの自覚症状を把握する。客観的指標として、体重の変化や血液データにも注意する。上記以外にも、頸椎の場合は、唾液腺も障害を受け、唾液分泌が抑制され、口腔内の自浄作用の低下が起こる。口腔内の症状の観察や、感染症状を観察する。胸椎・骨盤の場合は造血機能が盛んな胸椎や腸骨が障害されるため骨髄抑制が起こる。これにより患者は易感染状態に陥りるため、感染症状とバイタルサイン、血液データに注意する。また、骨盤の場合は、膀胱に影響をうけ膀胱炎をおこす。特に女性の場合は解剖学的理由からも膀胱炎を起こしやすいので、症状や、バイタルサインを治療の早期より注意していく。
骨に病変があることより、病的骨折をおこしやすいため生活行動や環境に注意する。骨転移による痛みも伴うこともあるため、痛みのアセスメントを行い、適切なペインコントロールを行う必要となってくる。脊椎の転移では、病状が進むと腫瘍が脊髄を圧迫して横断麻痺が起こることがある。特に頸椎の高いレベルでは、呼吸が止まるなど生命の危険にも関与するため、神経症状の出現にも着目する。また、骨病変は、他臓器からの転移ということが多いため、広がる病変に悲観的になっていたり、中には度重なる転移に対しての放射線治療となることもある。患者の不安やそれに起因する身体症状を早期に把握することが大切である。放射線治療が2回目以上の場合は、前回の照射の経過のイメージが悪いと今回の治療の受け入れが悪くなったりする。また、前回の照射の副作用の有無を知ることで今回の副作用も予測しやすいので、前回の情報も入手しておく。さらに、照射が終了しても再発に対しての不安を患者、家族とももっていることが多い。これに対する不安の把握も大切である。
[要因]・疾患への不安(再発に対する不安も含む)
・放射線治療そのものに対する不安
・放射線治療の副作用に対する不安
・入院により社会的役割が果たせない
・痛みに対して不安、精神的に落ち着かない
・入院という慣れない環境
・治療後や退院後の予期的不安
[要因]・放射線宿酔症状
・骨髄抑制による易感染と出血傾向
・照射野の皮膚に放射性皮膚炎
・頭蓋骨への照射による脱毛
・頸椎への照射による口内炎
・脊椎照射で照射野に上部消化管が入る場合は、食道炎や急性胃炎
・骨盤照射で照射野に下部消化管が入る場合は、腸炎
・骨盤照射で照射野に膀胱が入る場合は、膀胱炎
・照射された部位が繊維化を起こすために骨壊死・病的骨折・神経障害・血管障害・浮腫等の晩期障害が出現しやすい
#3.骨転移から生じる疼痛
[要因]・腫瘍の発育に伴い直接的あるいは化学的伝達物質を介して間接的に神経末端を刺激して起こる
[要因]・腫瘍により骨芽細胞が障害をうけ骨新生が阻害され、骨皮質がひ薄化し骨粗鬆症へと進展
[要因]・疾患への不安
・放射線治療そのものに対する不安
・放射線治療の副作用に対する不安
・経済面への不安
・家族内の役割の変化
・患者と家族間の人間関係
- 疾患、放射線治療に対する不安が軽減され、心身共に安定した状態で放射線治療を受けることができる
- 放射線治療による副作用を早期に対処し、最後まで治療を受けることができる
- 家族サポートを通じて患者が支えられる
&放射線治療の必要性が理解でき、言葉で表現できる
疾患や治療に対する不安を言葉で表現できる
精神的に安定した状態で積極的に治療を受けることができる
照射オリエンテーションを通じて、治療やその副作用に対するイメージが出来、対処方法を言葉で表現出来る
$入院から治療終了まで
O-1.入院への適応状況
2.疾病、治療に関する患者の情報量とその理解度
3.患者の訴え、表情、言動
4.睡眠状況
5.サポートシステムの状況
6.性格
7.対処行動と対処能力
8.食欲や食摂取状況
T-1.治療の必要性、方法をわかりやすく説明し、わからないことや不安に思うことは何でも質問してもらう
2.治療について医師から十分説明してもらい、理解不足があれば追加説明を行い納得した状態で治療を受けられるようにする
3.医師より患者にムンテラした内容について、看護婦間に周知し、言動の統一を図る
4.精神的に不安定になっているので、会話には細心の注意を払う
5.不安を表出できるようにするため以下のケアをする
1)患者や家族の訴えをよく聴き、受容的態度で接する
2)不安が表出できるよう患者や家族との信頼関係をつくる
3)疾患に対する不安は、医師から十分に説明が受けられるようにする
4)静かで休息のとれる環境をつくる
6.週末には外泊をすすめるなど気分転換が図れるよう配慮する
7.治療前のオリエンテーションを不安なく受けられるよう援助する
8.痛みの強い場合は十分な除痛を行い、精神の安定を図る
9.骨盤照射の場合、陰部の露出が必要となってくる。患者の羞恥心を軽減するため露出は最小限にできるよう
(時間的にも、範囲的にも)配慮してもらえるよう放射線技師に相談する
E-1.患者が治療に対しイメージでき、また副作用の出現に対処できるように、必ず照射前にオリエンテーションを行う
2.副作用については一時的反応であり、個人差があると説明する
3.わからない点があればいつでも質問するように指導する
[要因]-1放射線宿酔症状
&宿酔症状を理解でき、言葉で表現できる
症状が出現時、医師や看護婦に報告することができ、適切な処置が受けられる
$治療開始から終了まで[照射開始後10日前後で消失することが多い]
O-1.全身倦怠感
2.食欲不振
3.悪心・嘔吐
4.疲労感
5.頭重感
6.めまい
7.宿酔症状に対する思い、理解度
T-1.患者の訴えを十分に聴き、優しい言葉かけをして励ます(一過性のものなので心配ないと励まし、放射線に対して不安があればその内容を明らかにし、不安の軽減に努める)
2.患者の嗜好を取り入れ、食欲増進を図る
3.食事時間にこだわらず、食べられる時に食べられるように配慮する
4.食事量が低下してきた時は、食事内容の変更をする
5.宿酔症状が強い時は、普段は大丈夫な匂いでも吐き気を催すことがあるので環境にも配慮する
6.経口摂取が困難な場合は、経管栄養を考慮する
7.嘔気があるときは、胃部をクーリングしてみる
8.医師の指示で制吐剤や補液を投与する
E-1.宿酔症状について説明する
(治療に対する不安が強い場合は、かえって宿酔症状を強くすることがあるので、患者の状態にあわせて説明する)
2.治療中は十分な栄養と水分が大切であるということを説明する
1)お茶、ジュース、水分を多く含むものなどを十分摂取すること
2)高カロリー、高タンパク食をすすめる;牛乳、乳製品とくにチーズ、魚肉類の摂取、エンシュアリキッドなど補助食品の摂取
3.治療中は体力の消耗を避けるよう指導する
1)軽い運動(散歩など)にとどめ安静を保つようにする
2)十分な睡眠をとるようにする
3)体調がおかしいと感じたらすぐ報告する
&感染や出血に対し理解し、言葉で表現できる
感染予防行動がとれる
症状出現時医師や看護婦に報告できる
$約20Gyから治療終了まで
O-1.バイタルサインチェック
2.倦怠感
3.感染症状の有無(悪寒、体熱感、顔面紅潮)
4.易感染部位の異常の有無(口腔内、陰部、上気道)
5.出血の有無(口腔内、皮膚、排泄物)
6.検査データ
T-1.医療者が感染の媒体にならないように感染予防行動を行う
2.患者が身体的理由で感染予防行動がとれない場合は援助する
3.骨髄抑制が強い場合は、医師の指示により照射を中止する(WBC 1,500/mm3、Plt 50,000/mm3)
4.医師の指示により、白血球増多剤や輸血を行う
5.上気道感染や転倒など起こさないように、環境の整備を行う
6.出血傾向に注意し、採血や注射後、止血の確認をする
7.WBC低下(1,000/mm3)の時、加熱食への変更
E-1.感染症状、出血、倦怠感出現時は医師、看護婦に報告するよう指導する
2.感染予防に努めるように指導する
1)皮膚をこすらない
2)爪はいつも短く切っておく
3)含嗽、手洗いの励行
4)人ごみを避ける
5)必要に応じて面会人の制限
6)WBC低下の時、含嗽やマスクの着用を指導
7)WBC低下[1,000/mm3]の時、生ものは避ける
3.出血予防に努めるように指導する
1)寝具や保清による皮膚への摩擦・圧迫を避ける
2)排便コントロールを図り怒責を避ける
3)Plt低下の時は歯ブラシは使わない
&放射性皮膚炎を理解し、言葉で表現できる
放射性皮膚炎に対する予防行動がとれる
症状出現時医師や看護婦に報告することができ適切な処置が受けられる
$治療開始から終了後約3カ月間
O-1.皮膚の状態
1)熱感
2)軽度の発赤、皮膚の乾燥、掻痒感(20~30Gy)
3)著明な発赤、疼痛(40~50Gy)
4)水泡形成、びらん(60~70Gy)
T-1.照射部位の皮膚の清潔を保つ[骨盤照射の際はウオッシュレットによる陰洗をすすめる
2.照射後、照射部位のクーリングを行う
3.皮膚炎を起こしたときは医師に報告し指示を得る
4.皮膚炎を起こしたときは医師の指示のもと、ステロイドホルモン軟膏を塗布する[照射前にふき取る]
5.皮膚炎は治療終了すれば回復することを話し、治療が継続できるよう励ます
6.骨盤照射の際は、陰部に障害をおこすため、患者の羞恥心を考慮する
E-1.石鹸や薬剤による照射部位の刺激は避ける(入浴は可能だがぬるま湯で流す程度とする)
2.骨盤照射の際は、ウオッシュレットによる陰洗をすすめる
3.照射部位は傷つけたり、テープ、湿布などは使用しない
4.照射部位に症状出現時は、勝手にクリームなど使用せず(鉱物の入った軟膏は放射線を乱反射させる)、医師や看護婦に報告する
5.下着や寝衣は木綿で汗を吸い、肌触りのよいものを使用し、こまめに着替えるようにする
6.照射部位の日焼けは避ける
7.爪は短く切っておく
8.照射後、照射部位のクーリングを促す
♯2-4.頭蓋骨照射のため、照射野に脱毛が起こりやすく、ボディイメージの変容により
精神的に不安定になる可能性がある
&脱毛の出現を理解し、症状出現時早期に対処でき、精神的にも安定した状態で治療を受けることができる
$約20Gyから治療終了まで
O-1.脱毛(20Gy~)
2.精神状態(脱毛に対する思い)
3.理解度
4.対処能力
T-1.頭皮の清潔を保つ
2.脱毛出現時は、毛とりテープなどでベッド周囲の環境整備をする
3.脱毛は一時的なものであり、治療が終了したら再び髪は生えてくることを説明し、治療が継続するよう励ます
E-1.シャンプーによる洗髪、櫛、ブラシなどの使用を避け、ぬるま湯で洗い流すように指導する
2.帽子、スカーフなどで頭部を保護し、直射日光が当たらないようにする
3.毛とりテープなどでベッド周囲の環境整備を促す
4.薬剤や育毛剤の使用は避け、しばらくは、かつらや帽子などの使用をすすめる
5.抜け毛と絡まりやすいため、髪はなるべく短くするようすすめる
&放射線粘膜炎を理解し、言葉で表現出来る
放射線粘膜炎に対する予防行動がとれる
症状出現時医師や看護婦に報告することが出来、適切な処置が受けられる
$治療開始から終了後症状が改善するまで
O-1.粘膜炎症状
1)口内の粘つき、味覚の変化(10~20Gy)
2)口内乾燥、口内咽頭部痛(20~30Gy)
3)咀嚼、嚥下時痛のための食事困難(30~40Gy)
4)粘膜のびらん(50Gy~)
T-1.患者の訴えを聞き、症状の把握をする
2.治療開始より含嗽を行い口腔内の清潔を保つ
3.咽頭痛や嚥下時痛出現時、医師の指示にて粘膜保護剤や鎮痛剤を与薬する
4.食べられない、痛みなどからくるストレスを十分表出させ、症状は治療の終了で和らいでいくことを説明する
E-1.頻回に含嗽し、口腔内を清潔にするよう指導する
2.粘膜の刺激となるため禁酒、禁煙をすすめる
3.味覚消失、痛みなどによる食事量の減少から体力低下がおこらないように照射線量および状態に応じて食事指導を行う
1)治療がすすむにしたがって味が濃いもの、酸味のきいたものは舌を刺激し針が刺すようなぴりぴり感を感じるため、
味付けは薄味がよい。同様の理由により香辛料や熱いものは避ける
2)細かく刻んだり、よく煮込むなどし、飲み込みやすいよう調理する
[粥、卵、豆腐、牛乳等、野菜はスープ、ポタージュにする。プリン、ババロア等]
3)よくかんでゆっくり飲み込むようにする
4)嗄声出現時、声帯の安静を指導する(なるべく大きな声を出さない、長話をしない、必要に応じて筆談も指導)
&上部消化器症状を理解し、言葉で表現出来る
上部消化器症状に対する予防行動がとれる
症状出現時医師や看護婦に報告することが出来、適切な処置が受けられる
$治療開始から終了後症状が改善するまで
O-1.上部消化器症状
1)胃酸分泌抑制(15~20Gy)
2)急性胃炎、つかえ感、嚥下時痛(20~30Gy)
3)膜炎が高度になり食事摂取困難(30~40Gy)
4)胃酸分泌低下、胃潰瘍、胃穿孔(50~60Gy)
2.食事摂取状況
3.体重の変化
4.精神的ストレス
T-1.患者の訴えを聞き、十分に症状を把握する
2.患者の嗜好にあわせて、食事形態の工夫をし、食欲増進をはかる
3.経口摂取が困難な場合は経管栄養を考慮する
4.医師の指示で制吐剤や補液を投与する
5.つかえ感、嚥下時痛出現時、医師の指示より粘膜保護剤や鎮痛剤を与薬する
6.ストレスによっても胃炎がおこることがあり症状を悪化させることがあるため、ストレスが蓄積されないように良き話相手となる
E-1.上部消化器症状についてあらかじめ患者に説明し理解を得る
2.刺激物は避ける(熱い物、冷たい物、香辛料、たばこ、アルコール類)
3.消化の良い栄養価の高い物を摂取する(粥、卵、豆腐、牛乳等。野菜はスープ、ポタージュにする。プリン、ババロア等)
4.分割摂取をすすめる
&下部消化器症状を理解し、言葉で表現出来る
下部消化器症状に対する予防行動がとれる
症状出現時医師や看護婦に報告することが出来、適切な処置が受けられる
$治療開始から終了後症が改善するまで
O-1.下部消化器症状
1)食欲低下、下痢、嘔気・嘔吐、腹痛、脂肪吸収低下(20~30Gy)
2)潰瘍、壊死(55Gy~)
3)潰瘍、ろう孔、狭窄、イレウス(晩期)
2.食事摂取状況
3.体重の変化
T-1.患者の訴えを聞き、十分に症状を把握する
2.症状は一時的なものであり治療が終了した