すぽんさーどりんく

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胸部大動脈瘤患者の標準看護計画

胸部大動脈瘤患者の標準看護計画


胸部大動脈瘤とは

 大動脈瘤は大きく真性大動脈瘤と解離性大動脈瘤に分けられる。動脈瘤という場合には通常真性動脈瘤を指す。
 
 ◆ 真性大動脈瘤
 壁の脆弱化のため動脈が異常に伸展し、限局的に本来の太さより拡張した状態で、動脈壁の全層、特に中膜、外膜がそのままの状態で拡張する型のものである。
 形態的には、紡錘状動脈瘤と嚢状動脈瘤とに分けられる。紡錘状動脈瘤は動脈壁の脆弱化がやや広い範囲にわたるために生ずるもので、動脈硬化や動脈炎などによるものが多い。これに対し嚢状動脈瘤は、中膜の傷害が限局している場合で、動脈硬化のほかに外傷によるものがこの型をとりやすい。形は球状、楕円状など様々で、本来の動脈に対してポケット様の外観を呈する。多くの場合内膜の損傷が強く、血栓や粥腫を伴っている。原因としては、かつては梅毒によるものが多かったが、現在では各種動脈炎や動脈硬化に基づくものが増加している。梅毒性のものは上行大動脈起始部から大動脈弓部にかけて好発する。動脈硬化性のものは大動脈弓部の比較的末梢の部分及び左鎖骨下動脈分岐部以下に始まることが多く横隔膜下に及ぶものもある。男子には女子の2~3倍多く、年齢的には50~70才に多い。

 ◆ 解離性大動脈瘤
 大動脈中膜の変性・嚢包中膜壊死のため、中膜が内外2層に解離し、その間(偽腔)に血腫を形成するものである。病因として、高血圧、動脈硬化、マルファン症候群、妊娠、外傷、梅毒などがある。好発部位は、上行大動脈弁上部及び左鎖骨下動脈起始部末梢の下行大動脈に多い。男子には女子の2~3倍多く、年齢的には60~70才に多い。

De Bakeyの分類(亀裂の位置と解離の範囲で分類)
Ⅰ型 上行大動脈より始まり、弓部、下行大動脈、さらに腹部大動脈へと広い範囲にわたって解離を起こすもの
Ⅱ型 解離部位が上行大動脈または弓部にとどまっているもの
Ⅲa型 解離部位が下行大動脈以下で、左鎖骨下動脈分岐部直下より発生し、胸部大動脈にとどまっているもの
Ⅲb型 解離部位が下行大動脈以下で、左鎖骨下動脈分岐部直下より発生し、腹部大動脈へと広い範囲にわたって解離を起こすもの

 全体ではⅠ型が多く、マルファン症候群ではⅡ型、高齢者ではⅢ型が多い。
 解離性大動脈瘤の進展した末梢の内膜にさらに亀裂が生じて大動脈本来の内腔と交通ができると二連銃型を呈し解離の進行は停止する。

※仮性動脈瘤
 動脈壁が破れて血管外に血液が流出し、血管周囲に血腫を形成したもので、瘤の壁は本来の動脈壁ではなく、凝血と周囲に増生、癒着した結合組織とで構成されている。


アセスメントの視点

 胸部大動脈瘤は、いったん発症すれば入院、手術といった経過を余儀なくされる。特に解離性大動脈瘤においては突然に発症する重篤な疾患であり、患者の不安、恐怖は避けられず疼痛とともに病態の悪化を招くこともある。循環動態の維持や安静の保持、疼痛のコントロ-ルばかりでなく、効果的な精神的援助による不安、恐怖の除去も重要である。

症状

 胸部大動脈瘤:はじめは無症状のことが多い
1.圧迫症状 胸痛・背部痛、呼吸困難・喘鳴・咳、嚥下傷害、頸動脈怒張、嗄声、Horner症候群、上大静脈症候群、前胸部拍動性腫瘤
2.癒着症状 Oliver-Cardarelli症候群→大動脈瘤の気管(支)への癒着によって、心拍動に一致して喉頭が上下する

 解離性大動脈瘤:大動脈分岐動脈の閉塞(圧迫)症状と破裂症状などが重なり、多彩な症状を呈する
1.解離による症状 突発する胸部・背部の激痛(発症時が最強)進行に伴って頸部、頭部、腹部、腰部、下肢へと移動する
2.閉塞症状 頸動脈圧迫‥‥‥頭痛、めまい、失神(意識障害)、痙攣
鎖骨下動脈圧迫‥血圧の左右差、脈拍減弱、上肢麻痺
冠動脈閉塞‥‥‥心筋梗塞(冠動脈入口部の閉塞による)
腎動脈圧迫‥‥‥急性腎不全、腎血管性高血圧
肋間動脈閉塞‥‥対麻痺
腹腔動脈閉塞‥‥腸麻痺、肝不全

 ※慢性型では末梢側で再交通をみることがあり、治癒と思われる状態になる
3.破裂症状 心タンポナ-デ(心膜腔内出血)
大動脈弁閉鎖不全(AR)(解離が大動脈弁に達する)→左心不全
呼吸困難、血痰

※心タンポナ-デ、AR、AMI は、DeBakeyⅠ・Ⅱ型でみられやすい


検査

X線写真
超音波検査、カラ-ドプラ-
CT
MRI
大動脈造影
DSA
血液一般検査


治療

胸部大動脈瘤:手術が原則であり、薬物療法は補助的な役目を果たす
 1.手術療法
瘤の発生した部位により術式は異なり、また、各部位に対応した人工心肺などによる補助手段が必要である
人工血管置換術、パッチ縫合術など
 2.降圧薬療法

解離性大動脈瘤:まず、疼痛の除去と収縮期血圧を100~120mmHgまで下降させる
 1.鎮痛
モルフィンなどの鎮痛剤投与
 2.降圧薬療法
 3.手術療法
De BakeyⅠ・Ⅱ型は、早期死亡率が高く手術を考え、Ⅲ型は破裂していなければ降圧療法を行い、慢性期に外科治療を考慮する
瘤の発生した部位により術式は異なり、また、各部位に対応した人工心肺などによる補助手段が必要である
病変部を切除術+解離腔を含め拡大した大動脈の人工血管置換術
心嚢ドレナ-ジ
解離腔末梢と大動脈内腔を交通させ、減圧する


術後の経過と管理

 1.血行動態の管理
 1)血圧
適正血圧を維持し、グラフトの血流を良好に保つ必要がある。高血圧は人工血管吻合部からの出血、低血圧は人工血管内血栓形成の恐れがある。術後は一般に末梢血管は収縮しているので、保温を行い、末梢血管の拡張につとめる。
 2)不整脈
手術後は、手術中の心筋損傷、体外循環後の電解質異常、代謝性アシド-シスなどの影響で不整脈が発生しやすい。術後は心電図モニタ-の監視により不整脈を見逃さず、除細動器、抗不整脈剤など必要な準備を怠らないようにする。
 3)循環血液量
CVPは5~10㎝H2Oが正常値であり、これより低いと循環血液量不足により血圧が下降し末梢血管の収縮をきたす。また高いと、心不全をきたす。よって循環動態のモニタリングが必要である。
 4)脳血流障害
総頚動脈の遮断時間が長引いた時、血栓形成によって脳への酸素供給不足や脳塞栓の偶発がおこる場合がある。術後意識レベル、神経学的異常がないか観察が必要である。
 5)末梢循環障害
大動脈瘤壁内にみられる粥状硬化斑または血栓の細片が、手術操作により末梢動脈に流出し、遮断解除とともに末梢動脈塞栓症をきたすことがあるので、動脈の触知、チアノ-ゼ、温感、知覚の有無の観察を行い、たんなる末梢循環不全か塞栓かを区別する。
 6)腎血流障害
大動脈瘤手術後は、とくに急性腎不全がおこりやすい。その原因としては、術中の出血性ショック、体外循環あるいは一時的バイパスの不備、大動脈遮断の影響、全身麻酔剤の影響などがあげられる。したがって、術中・術後をとおして、腎血行動態の安定を維持していく必要がある。水分出納の管理、血清カリウム・BUN・Cr値、全身の浮腫の有無を把握しておく。

 2.後出血とドレ-ンの管理
 後出血により、全身虚血をきたすためドレ-ン出血量、性状、貧血(Hb、RBC、Plt)の観察を行なう。またドレ-ン内に凝血による閉塞が疑われる場合にはミルキングをおこなう。

 3.呼吸の管理
 適正換気を維持し、低酸素を予防するため、胸部大動脈瘤の場合は、術後しばらくの間レスピレ-タ-による呼吸管理を行なう。手術直後は麻酔剤の影響、体外循環、創痛などにより、換気障害が発生しやすい。年齢・喫煙歴等考慮し、術前から排痰・深呼吸などの呼吸訓練をおこなう。

 4.疼痛の緩和
 胸部大動脈瘤の術式で胸骨正中切開+左前側方回開胸を行なうため手術浸襲が非常におおきい。そのため創痛による苦痛がつよく、不安、不眠をきたす。また肺拡張が得られにくく、肺合併症をおこしやすいため疼痛コントロ-ルが必要である。

 5.感染の予防
 手術浸襲により術後は感染しやすい状態となる。しかも人工血管への感染は致命的となるため創部・全身のドレ-ン類の管理、熱型、血液デ-タの把握を怠らないようにする。

 6.精神的サポ-ト
 胸部大動脈瘤の患者の不安は安静臥床を強いられることの不安、手術そのものへの不安、手術後や退院後の予期的不安がある。不安の内容や程度表出の仕方など個人によって異なるが、精神的・身体的・社会的側面から統合した情報で、患者各人の訴えを判断することが大切である。手術のみならず、手術後のセルフケアに対してしっかりとしたサポ-トシステムを作っておく必要がある。


術後合併症

 1.術後出血
人工心肺使用による血小板機能低下と凝固因子の破壊及び減少などにより出血しやすい状態である。通常、術後は胸腔内にドレ-ンが挿入されており、ドレ-ンからの出血量、排液の性状がインフォメ-ションとなる。
 2.肺合併症
人工心肺による体外循環法を行なう、術後24~48時間人工呼吸器による呼吸管理が行なわれるため絶対安静を強いられるなどの要因に加え、螺旋状皮膚切開に伴う創痛、ドレ-ン刺入部痛が強く、挿管チュ-ブ抜去後、痰の喀出が十分に行なわれず無気肺、肺炎、肺水腫などの肺合併症に陥りやすい。稀に、手術操作により反回神経麻痺となり、そのために、誤嚥性肺炎が生じる可能性がある。
 3.不整脈
心拍出量や循環血液量の減少に伴う心筋虚血、低酸素状態、電解質異常などにより種々の不整脈が発生しやすい。心電図モニタ-、12誘導での心電図によって不整脈の種類、その重症度が診断される。
 4.急性腎不全
人工心肺使用による腎尿細管内への溶血した赤血球の付着、循環血液量の減少、大動脈遮断による腎血流量の低下などの原因により生じる。尿量、採血デ-タ、尿生化などにより診断される。
 5.感染
長時間の体外循環による免疫機能の低下、手術侵襲により術後は何らかの感染をしやすい状態にある。感染源としては、血管留置カテ-テル、動脈圧ライン、各種ドレ-ン、尿道カテ-テル、切開創などがある。診断は熱型、採血デ-タ、各種培養結果、創の癒合状態などによってなされる。人工血管への感染は致命的である。
 6.脊髄損傷
手術操作に伴う肋間動脈、腰動脈の結紮や血栓、塞栓のため出現する危険がある。知覚異常、運動障害などにより気付かれる。
 7.脳血管障害
手術操作による大動脈瘤内血栓の脳動脈への流出及び低血圧による人工血管内血栓形成、体外循環中の空気の混入、脳血流の低下などが原因となる。麻酔からの覚醒遅延、異常反射、痙攣などで気付かれる。
 8.末梢血管の血栓・塞栓
手術操作による大動脈瘤内血栓の末梢動脈への流出及び低血圧による人工血管内血栓形成などが原因となる。末梢動脈の拍動異常、末梢皮膚色・皮膚温、知覚異常などで気付かれる。


胸部大動脈瘤患者の標準看護計画(術前)

Ⅰ.アセスメントの視点

  看護基準に同じ

Ⅱ.問題リスト(術前)

#1.疾患や手術に対する不安
   [要因]・疾患そのものへの不安
       ・病気の徴候(圧迫症状、閉塞症状、解離による激痛、破裂症状)
       ・手術そのものへの不安
       ・検査や治療に対する情報不足
       ・入院という慣れない環境
       ・社会的役割が果たせない
       ・手術後退院後予期的不安

#2.疾患に対する認知の欠如
   [要因]・無症状
       ・高齢

#3.疾患による苦痛
   [要因]・圧迫症状
       ・閉塞症状
       ・解離による激痛
       ・破裂症状

#4.動脈瘤破裂による生命の危険
   [要因]・動脈瘤の破裂による出血性ショック
       ・心タンポナ-デ

#5.安静保持によるストレス
   [要因]・同一体位の保持
       ・体動制限

#6.手術後の肺合併症
   [要因]・人工呼吸器による呼吸管理
       ・開胸による手術操作
       ・気管内挿管や麻酔剤による分泌物の増加
       ・創痛や不安による呼吸抑制
       ・不十分な咳嗽力による分泌物の貯留
       ・麻酔による呼吸中枢の抑制と筋弛緩剤による呼吸筋の弛緩
       ・高齢、肥満、喫煙歴、心疾患、呼吸器疾患、神経疾患の合併

#7.家族の不安
   [要因]・疾患そのものへのおそれ
       ・患者の予後や経済面への不安
       ・家庭内の役割の変化(サポ-トシステムの不足)
       ・患者と患者間の人間関係(コミュニケ-ション)

Ⅲ.看護目標(術前)

疾患、手術に対する不安が軽減され手術に向けて精神的準備ができる
胸背部痛などの苦痛の軽減を計り、体力の消耗が最小限になる
ストレスなく安静保持ができ動脈瘤破裂を防止できる
動脈瘤破裂助長因子である高血圧に対する血圧コントロ-ルが十分できる
全身状態の評価により術後合併症を予測し手術に対する身体的準備ができる
家族の精神的慰安に努める

Ⅳ.看護問題(術前)

#1.疾患や手術に対する不安

  &診断のための検査と手術の必要性がわかり納得できたことを言葉で表現する
   患者の思いや不安を言葉で表現できる
   術前・術後の自分の状態がイメ-ジでき、対処方法を言葉で表現する
  $手術前日

-1.入院への適応状況
  2.疾病、術前検査、手術に関する患者の情報量とその理解度
  3.表情、言語、態度の表出状況と不安の程度の関係
  4.食欲、食事摂取状況
  5.身体症状の有無と程度
  6.睡眠状況
  7.サポ-トシステムの状況
  8.性格
  9.対処行動と対処能力

-1・検査の必要性、方法をわかりやすく説明して協力を得る
  2.検査の結果について、医師から十分説明を受けることができるように配慮する
  3.術前オリエンテ-ションを不安なく受けられるように援助する
  4.家族の支援が得られる様必要時参加を求める
  5.不安を表出できる様にするため以下のケアをする
    1)患者や家族の訴えをよく聴き、受容的態度で接する
    2)不安が表出できる様患者や家族との信頼関係をつくる
    3)疾患に対する不安は医師から十分説明が受けられるようにする
    4)静かで休息のとれる環境をつくる

-1.患者が術後の状態を具体的にイメ-ジできるように説明する。特にドレ-ンやチュ-ブ類が挿入されるため、その重要性を認識できるように、働きかける
  2.医師の説明で理解不足の内容があれば追加説明し、納得して手術が受けられるようにする
  3.不安な状態を表出してもいいことを伝え、不明なところは質問できるよう促す

#2.疾患に対する認識の欠如
  &現状を維持し、動脈瘤が破裂することなく手術を受けられる
  $手術前日

-1.動脈瘤の原因、状態により生活調整
  2.感情の激動を避ける
  3.運動の制限;安静
  4.環境の急激な温度差を避ける
  5.食事(塩分制限、エネルギ-の制限、動物性脂肪の制限)
  6.排便コントロ-ル(下剤服用、摘便、腹部温あん法、適度な水分摂取)
    浣腸は負荷となるため基本的に禁止
  7.高齢者に対しては安全面に留意

-1.適切な健康管理の理解に向けて動脈瘤の基本的な情報を説明する

#3.疾患による苦痛
    &瘤による圧迫、閉塞症状や解離に伴う激痛が軽減し不安が消失する
    $手術前日

-1.疼痛の部位、程度、持続時間の観察
    1)前胸部、胸骨下部の激痛
    2)背部痛
    3)背部に放散または腹部、下肢、頚部、頭部と広範囲に痛みの放散がないか
  2.バイタルサイン(特に血圧の変動に注意する)
  3.ECG(異常がないことが多い 心筋梗塞と区別)
  4.検査デ-タの把握(CPK、LDH、GOT、GPT、電解質、ESR)
  5.心エコ-、胸部X-P、胸部CT
  6.鎮痛剤使用時の効果と副作用の出現
  7.圧迫症状の観察(咳嗽、嚥下困難、嗄声、上大静脈症候群など)

-1.激痛に対しては鎮痛剤を使用する
  2.衣類等圧迫の原因となっているものは除き安楽な体位の工夫を行なう
  3.声かけをしながら処置を行い不安を緩和する
  4.体動によるベットからの転落に注意する
  5.尖足予防、褥創予防のための体位変換
  6.救急蘇生セットの整備を行い緊急時に備える
  7.外科的治療を施行する場合は準備を迅速に行い移送する

-1.疼痛の部位、程度の変化がある場合は伝えるように説明する
#4.動脈瘤破裂による生命の危険
  &破裂の徴候を知り異常時早期対応が行なえる
   破裂助長因子を除去、軽減する
  $手術前日

-1.痛みの観察
    1)部位、時間、強さの程度
    2)背部への放散痛
  2.破裂時の症状を知り状態観察
    1)出血性ショック
    2)心嚢内出血によるタンポナ-デ(血圧低下、顔面蒼白、チアノ-ゼ、脈圧が弱い、呼吸困難、心音低下、不安感)
  3.血圧の変動観察
  4.降圧剤の確実な与薬(持続点滴ラインの管理、確実な内服)

-1.強い痛みに関しては指示の鎮痛剤使用
  2.精神安定を図るため薬剤の与薬

#5.安静保持によるストレス
  &ストレスなく安静保持ができ動脈瘤破裂を防止できる
  $手術前日

-1.面会の制限を行い、外界からの刺激を避ける
  2.安静保持によるストレスを表出できるよう訴えの傾聴をする
  3.腰背部痛予防として体位変換やエア-マットの使用を考慮する

-1.安静の必要性を説明する
  2.適切な体位を説明し瘤への負荷を避ける

#6.手術後の肺合併症
  &手術後に肺合併症の起きる可能性の高いことが理解できたと表現する
   肺合併症予防のための術前練習の必要性がわかったと表現する
   肺合併症予防のための練習が実施できる
   術前トレ-ニングにより肺機能が改善する
  $手術前日

-1.呼吸状態
  2.咳嗽、喀痰の有無と程度
  3.呼吸機能検査の結果
  4.リスクファクタ-(高齢、肥満、喫煙歴、心・神経疾患、閉塞性肺疾患の有無と程度)
  5.胸部X-Pの結果、胸郭の変形の程度
  6.動脈血ガス分析の結果
  7.手術の受けとめ方

-1.パンフレットを用い合併症予防の練習を行なう(深呼吸、含嗽、痰の出し方等)
  2.トリフロ-による呼吸練習の紹介(瘤への負荷がかかる為実際には行なわない)

-1.肺合併症のための術前練習の良否が術後の経過を左右することを説明し理解を促す
  2.禁煙、体重の減量、術前トレ-ニングの必要性を説明し、理解を促す

#7.家族の不安
  &家族ケア、家族サポ-トをとおして患者が支えられる
  $手術前日

-1.家族の表情、言語による表現、態度
  2.家族と患者との人間関係
  3.家族、患者間の疾病の理解、認識の差
  4.家族間のサポ-トシステム
  5.家族の状況判断能力
  6.家族がとらえている患者の性格傾向、コ-ピング
  7.経済的問題の存在

-1.家族とコミュニケ-ションをとり、不安や心配事を表出しやすいように受容的態度でかかわる
  2.家族の考えと医療者の考え違いがないか、また患者の考えを尊重してかかわる方法について相談し検討する
  3.家庭内で起きている問題の対処ができているか、解決困難なときは相談にのる

-1.家族が患者の今後についてイメ-ジできるように、術後の状況、入院期間、社会復帰の時期等についての知識を与える
  2.家族に患者のサポ-トの必要性を説明する