すぽんさーどりんく

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幻覚のある患者の標準看護計画-040

幻覚のある患者の標準看護計画






体感幻覚があることにより、不安・焦燥感をきたしやすい

♯体感幻覚の訴えがある

-1.体感幻覚の訴えの内容と程度
2.被害関係念慮の有無
3.バイタルサイン
4.不安・焦燥感の有無
5.日中の行動・言動

-1.訴えを丁寧に受け止め、落ち着きある態度で患者が自分を受けとめてくれているという安心感を与える態度で接する
2.幻覚はあるが、患者に苦痛を与えている症状として対処する
3.レクリエ-ション等に参加させ健康面をひきだす
4.体感幻覚の訴えについて否定・肯定をしない態度で受け止める(否定は不信を抱き、肯定は確信を与える)
5.症状は一時的なものであり、服薬をきちんとすれば必ずよくなっていくことを伝え、安心感を与える
6.不安・焦燥感が強い場合、医師の指示にて抗不安薬・向精神薬などの投与をする
7.普段から人間関係を保ち、話しかけやすい雰囲気にしておく



体感幻覚により日常生活に支障をきたすことがある

♯安心して日常生活を送ることができるが

-1.日常生活の状況(食事・洗面・睡眠・更衣・入浴等)
2.ADLの程度。支障をきたしているところはないか

-1.支障をきたしている部分への誘導・援助を行う



体感幻覚により自閉的になることがある

♯自閉的になることなく、誰とでも良好な人間関係が保てる

-1.日中の過ごし方
2.他患者との接し方・態度
3.医師・看護婦との接し方

-1.看護婦側から回避せず患者の反応を観察しながら働きかける
2.患者と共に過ごす時間を多くする
3.患者の訴えには耳を傾けて関心をもって根気よく接する
4.患者のペースにあわせ信頼関係を養う、



体感幻覚により自傷・自殺・暴力行為をおこす危険がある

♯自傷・自殺・暴力行為等を防ぎ、安全な環境で過ごせる

-1.日中の行動・言動。
2.服薬の状況
3.興奮の有無・程度
4.興奮の原因
5.周囲の危険物の有無

-1.落ち着いた態度で根気よく接し、看護婦は興奮に巻き込まれない
2.危険物があれば患者の身の回りより排除し、安全な場所へ誘導する
3.危険性があれば予測される場合は観察を充分に行い夜間・多忙時は特に注意する
4.看護婦間の伝達をしっかりしておく
5.医師の指示にて鎮静剤の使用。場合により隔離室の使用も考える



意識障害と活発な精神活動により事故及び他患者の睡眠を妨げる可能性がある

♯患者・他患者の安全が守られ、かつ安心して入眠する事が出来る

-1.幻覚(特に幻視)の内容と出現時間・錯覚の内容と行動状態
2.昼間の睡眠及び行動状態
3.全身状態・VS

-1.患者の事故防止に努める
a.日中危険物を預かる
b.障害物を置かない
c.日中から患者の身の回りの持ち物の所在場所を把握しておく
d.夜間ベット柵を使用する
e.床に絨毯を使用する
f.夜間覚醒している場合は巡視を頻回に行い常に看護者の視野の中に入れておく
g.離棟した場合は「緊急事故発生時の手順」に従う

2.患者の睡眠を促す
a.せん妄体験は患者本人にとって本物だという事を念頭に置いて不用意な発言はしない
b.背部マッサ-ジ・湯タンポ等身体的安眠をはかる
c.受容的な態度でつきそい入眠を促す
d.どうしても入眠出来ない場合は医者に報告し指示を受ける

3.他患者の睡眠を促す
a.T-2施行してもせん妄がおさまらない場合は医者の指示にて保護室使用
b.翌日部屋替えを考える

4.せん妄の改善
a.原疾患の改善
*老年痴呆
*脳動脈硬化症
*代謝栄養障害
*向精神薬の副作用
*心理的ストレス

5.予測される行動
a.錯覚でベット上排泄する場合が多い
*事前にゴムシーツ使用
*身の回りの物は動かさない位置とする
*時間的排尿誘導
b.幻視により不安不穏が強い場合がある
*訴えをよくきいて現実にありえない事をさとす
*病院にいる事を常に思い起こさせる
*医師や看護婦に安全が保証されている事を確信させる



興奮・不穏状態により自傷・他害・器物破損行為が見られる

♯興奮・不穏状態がおさまり危険から脱する事ができる

-1.日常生活行動
2.他患者との接し方
3.訴えの内容と行動
4.興奮原因を把握する
5.外傷・身体的異常の有無

-1.普段から人間関係を保ち話しかけやすい雰囲気にしておく
2.訴えをよく聞きみだりに患者と議論するなど感情的態度で接しない
3.落ち着いた態度で根気よく接し看護者は興奮にまきこまれないようにする
4.みだりに服従させる目的で力を用いない
5.説得の効果がある時は説得を試みる、それでもだめな場合は医師に報告する
6.周囲及び患者自身に危険がおよばないように配慮する
7.必要に応じ医師の指示にて保護室入室または部屋を交換し観察を密にする
8.必要に応じ医師の指示にて処置(与薬・注射)を行う
9.疲労が激しいので状態に応じて水分と食物の摂取を促す
10.看護者は複数で対応する